黒5誕生物語

黒5誕生物語12

最初に作ったのが、黒5の「ビーフカツサンド」。
牛フィレの芯の部位だけを使い、黒5特製ソースと
千切りキャベツのバランスが絶妙な一品でした。

フィレの柔らかさ、パンの香ばしさ、そしてソースの旨味が重なり合う――
黒5らしい“贅沢なお肉の食べ方”を形にしたメニューです。

このフィレカツサンドは、当時お土産用として提供していました。
最近では多くの店で高価な和牛フィレサンドを見かけますが、
黒5ではアメリカ産フィレ肉を使い、手軽に楽しめる価格で販売していたのです。

その味とボリュームが評判を呼び、3年ほど続く大人気商品に。
閉店間際に「まだありますか?」と聞かれることも多く、
黒5の隠れた名物のひとつとなりました。

実は、ビーフシチューを提供していた時期もありました。
焼肉屋さんにビーフシチューはなかなか定着しませんでしたが、
煮込んだ牛ほほ肉の美味しさに驚き、
その肉をコムタンスープにも使うようになりました。

焼肉屋では“柔らかい部位”が人気ですが、
実は牛のほとんどの部位は硬く、扱いが難しい。
でも、その分、旨味はすごいんです。

「どうにかこの旨味を、もっと多くの人に届けられないか…」
試行錯誤を重ねるうちに、ひとつの答えが閃きました。

――そうだ! 挽肉だ!!
硬い部位をミンチにすれば、旨味もやわらかさも引き出せる。
「美味いハンバーグを作ろう!」
そう決めた瞬間から、僕は完全にハンバーグに取り憑かれました。

「タマネギは飴色になるまで炒めるのが本当に美味いのか?」
「牛と豚の比率7対3が一番なのか?」
その常識を一つひとつ疑いながら、試作を繰り返した。
焼いては食べ、食べてはまた焼く。
そして気づいた——
“ハンバーグは、素材と火加減、そして焼く技術で決まる”ということに。

「美味いハンバーグとは何なのか?」
牛肉を手に取り、肉の繊維や脂の入り方をじっと観察する日々。
タマネギの炒め方、肉の温度、こね方、すべてが味を変える。
正解がないからこそ、追求するのが楽しかった。

納得のいくハンバーグは、最初に試したレシピとは
まったく違うものでした。
お肉は豚肉を一切使わず、牛肉100%。
しかも2度挽きすることで、食感は驚くほどふわふわに。

タマネギは炒めず“生”を使用。
スパイスもあれこれ入れず、使うのはコショーのみ。
「素材がいいからこそ、シンプルに。」
そんな信念を込めて、焼き方にとことんこだわりました。

ソースは黒5の焼肉ダレにすりおろし玉ねぎを加えてアレンジ。
付け合わせのマッシュポテトには、
和牛の切り落としで作ったミートソースを合わせました。
香ばしい鉄板の上で“ジュ~ッ!!”という音が響くたびに、
お客様の笑顔が増えていきました。

さらに、このハンバーグをベースに
黒5特製ビーフカレーとチーズをかけた
“カレーハンバーグドリア”を開発しました。

焼肉屋の厨房から生まれたとは思えないほど、
香ばしく濃厚な味わいで、スタッフの間でも大好評。
この一皿がきっかけで、ランチ営業を始める決意をしたのです。

完成したハンバーグに特製ビーフカレー、さらに“カレーハンバーグドリア”が誕生。
この新メニューを旗印に、東口店限定でランチ営業をスタートすることにしました。
「美味しいハンバーグありますよ!」――昼はドリアとカレー、夜は焼肉。黒5の挑戦は、いよいよ昼の時間帯へ広がっていきます。

続きの 黒5誕生物語 第13卓話を読む

「焼肉 黒5」は池袋で創業して以来、変わらぬ味とこだわりを守り続けています。

黒5の店舗紹介|池袋と歌舞伎町に展開

店名焼肉 黒5 本店
住所:〒171-0014 東京都豊島区池袋2丁目46−3 シーマ100ビル 1F
最寄駅:JR池袋駅西口 徒歩5分
営業時間:17:00~24:00(L.O.23:30)
定休日:年中無休

店名焼肉 黒5 池袋東口店
住所:〒170-0013 東京都豊島区東池袋1丁目42−16 ニードビル 2F
最寄駅:JR池袋駅東口 徒歩5分
営業時間:17:00~24:00(L.O.23:00)
定休日:年中無休

店名焼肉 黒5 歌舞伎町
住所:東京都新宿区歌舞伎町2-21-4 三経ビル1F
最寄駅:西武新宿駅 徒歩5分/新宿三丁目駅 徒歩7分
営業時間:18:00~翌5:00(L.O.4:00)
定休日:年中無休

公式Instagram@kuro5yakiniku

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