焼肉の席で、誰もが一度は耳にするこの議論。
「ひっくり返すのは1回がいい」「いや、何度も返した方がジューシーだ」──。
果たして、どちらが本当に美味しく焼けるのでしょうか?

「1回だけ返す派」の理屈とその背景
一度だけ返す理由は「肉汁を閉じ込めたい」から
昔から「肉はあまり触らない方がいい」と言われてきました。
その理由は、
・表面をしっかり焼いて肉汁を閉じ込める
・何度も返すと水分が抜ける
といったものです。
ただし、それが通用するのは“鉄板ステーキ”だけ

確かにこれは、分厚いステーキを鉄板で焼く場合には理にかなっています。
鉄板焼きでは、表面を焼いたあとフタをして蒸気を閉じ込めることで、
中までじっくり熱を通す“蒸し焼き効果”が得られます。

ところが──
焼肉ではフタをすることができません。
蒸し焼きによる保温・保湿ができないため、
片面を長く焼くと、その間に表面が乾き、肉汁がどんどん逃げてしまうのです。
焼肉においては「何度も返す派」が理にかなっている
焼肉は“蒸せない”からこそ、返すことで熱を回す

焼肉の肉はたいてい厚さ5〜8ミリ。
この厚みの肉を高温の網に放置すると、
すぐに片面が焦げつき、中心はまだ冷たいままになります。
そこで何度も返すことで、
両面からバランスよく熱が入っていき、内部温度が均一になります。
つまり、「何度も返す=ゆっくり蒸し焼きに近い加熱」ができるということ。
フタがない焼肉では、返す回数こそが“蒸し効果”の代わりになるのです。
科学的にも証明された「複数回返し」の優位性

海外の調理科学の実験(Meat Science)でも、
1回だけ返すよりも複数回返したほうが、
内部の水分保持率が高く、焼きムラが少ないという結果が出ています。
熱を片面だけに集中させず、
返すたびに温度を分散させることで、肉の繊維を壊さずに火が通るのです。
美味しく焼くための“返すリズム”
理想は「10〜15秒ごと」

表面に軽く色がつき始めたら返す。
それを10〜15秒ごとに繰り返すのが理想です。
ポイントは、表面が乾く前に返すこと。
乾いてからでは、すでに肉汁が蒸発し始めています。
“観察して返す”のがプロの焼き方
リズムよく、軽やかに、肉の反応を見ながら焼く──。
それが美味しい焼肉を仕上げる最大のコツです。
職人の焼き方に学ぶ:備長炭と手さばきの妙
黒5の職人が実践する“静かな焼き”
新宿歌舞伎町や池袋で焼肉店を展開する黒5(くろご)では、
スタッフが約10秒ごとに肉を返しながら火入れをコントロールしています。

厚切り肉は2cm以上のブロックをじっくり、
薄切り肉でも繊維を壊さないように丁寧に返すスタイル。
黒5が大切にしているのは、
「お肉が焼かれていることに気づかないほど静かな手さばき」。
お客様に気取らせず、そっと肉を返し続けることで、
外は香ばしく、中はしっとりと仕上がります。
備長炭が引き出す“香りと旨味”

さらに、使用するのは備長炭。
炭の遠赤外線が内部までじんわり熱を届け、
ガス火では再現できない“香りと旨味”を引き出します。
科学と職人技が融合したその焼き方こそ、
「何度も返す」哲学の完成形と言えるでしょう。

「焼肉 黒5」は池袋で創業して以来、変わらぬ味とこだわりを守り続けています。
黒5の店舗紹介|池袋と歌舞伎町に展開

店名:焼肉 黒5 本店
住所:〒171-0014 東京都豊島区池袋2丁目46−3 シーマ100ビル 1F
最寄駅:JR池袋駅西口 徒歩5分
営業時間:17:00~24:00(L.O.23:30)
定休日:年中無休
店名:焼肉 黒5 池袋東口店
住所:〒170-0013 東京都豊島区東池袋1丁目42−16 ニードビル 2F
最寄駅:JR池袋駅東口 徒歩5分
営業時間:17:00~24:00(L.O.23:00)
定休日:年中無休
店名:焼肉 黒5 歌舞伎町
住所:東京都新宿区歌舞伎町2-21-4 三経ビル1F
最寄駅:西武新宿駅 徒歩5分/新宿三丁目駅 徒歩7分
営業時間:18:00~翌5:00(L.O.4:00)
定休日:年中無休
公式Instagram:@kuro5yakiniku

