黒5誕生物語

黒5誕生物語3

僕が優雅に(?)入院生活を送っている間、病院のベッドの上では本を読んだりテレビを眺めたり。
現場を離れてしまった情けなさと、焦る気持ちを抱えつつ、どうすることもできない時間を過ごしていました。

その頃、残りのスタッフたちは僕の穴を埋めるために大忙し。
人がいないときに限って不思議と忙しくなるもので、まさに猫の手も借りたいほどの人手不足。

仕込み、買い出し、ホールに厨房。
みんな汗だくになりながら必死にお店を回してくれていました。
病院のベッドで「本当に頼りないな…」と自分を責める一方で、仲間の存在にどれだけ救われていたか。
あのときの感謝の気持ちは、今も決して忘れることはありません。

求人誌に掲載する費用もなく、世間知らずな妻は単純に考えました。
「ハローワークに行けば、仕事を探している人がたくさんいるんだから、声をかければいいんじゃないか?」

そうして池袋のハローワークに行き、並んでいる人たちに「お仕事ありますよ〜」と声をかけてしまったのです…。

当然、職員さんに見つかり「ちょっと、あんた何してんだ!」とこっぴどく叱られる始末。
「二度と来るんじゃねーぞ!」と怒鳴られ、女房は顔を真っ赤にして「すみません〜!」と必死に謝るしかありませんでした。

みんなのがんばりのおかげで、僕が退院した頃には少しずつお客様の入りも安定してきました。
しかし当時の黒5にはエアコンがなく(買うお金も当然なく)、時期はまさに梅雨明け…。

店内はまるでサウナ状態。
お客様からは「この店、暑すぎるよ!」と苦情をいただき、僕らは「本当にすみません…」と頭を下げるしかありませんでした。

当時はエアコンがなく、とてもお客様に快適とは言えない環境でした。
そこで僕らが用意したのは、100円ショップで買ってきた扇子と、凍らせたおしぼり。
それをお客様に配って「少しでも涼んでください」とお願いしていました。

もちろん、それでも我慢できず怒って帰られる方もたくさんいらっしゃいました。
本当に暑かったと思います。あの頃のお客様には心から「申し訳ありませんでした」と伝えたい気持ちです。

商売は本当に難しい…。
やっと来てくれるようになったお客様も、暑さに耐えきれず帰ってしまう。
お肉は間違いなく良質で、値段もギリギリまで抑えている。
居心地を良くするために借金をしてエアコンも入れた。

「どうしたらもっと美味しいと言ってもらえるだろう…」
何度も自問自答しながらも、答えが出ない日々。

そんな中、ふと目に入ったのはプリプリのホルモンを網の上で焦がしてしまうお客様。
「もったいない!そんな焼き方じゃダメですよ!」
気がつけば我慢できずに声をかけていました。
                                つづく。

「焼肉 黒5」は池袋で創業して以来、変わらぬ味とこだわりを守り続けています。

黒5の店舗紹介|池袋と歌舞伎町に展開

店名焼肉 黒5 本店
住所:〒171-0014 東京都豊島区池袋2丁目46−3 シーマ100ビル 1F
最寄駅:JR池袋駅西口 徒歩5分
営業時間:17:00~24:30(L.O.23:30)
定休日:年中無休

店名焼肉 黒5 池袋東口店
住所:〒170-0013 東京都豊島区東池袋1丁目42−16 ニードビル 2F
最寄駅:JR池袋駅東口 徒歩5分
営業時間:17:00~24:00(L.O.23:00)
定休日:年中無休

店名焼肉 黒5 歌舞伎町
住所:東京都新宿区歌舞伎町2-21-4 三経ビル1F
最寄駅:西武新宿駅 徒歩5分/新宿三丁目駅 徒歩7分
営業時間:18:00~翌5:00(L.O.4:00)
定休日:年中無休

公式Instagram@kuro5yakiniku

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