店長日記

焼肉弁当の魅力と歴史|炭火の魔法が生んだ“冷めても旨い”文化

焼肉弁当ほど、冷めても美味しさが続き、長年多くの人を魅了してきた弁当はありません。炭火の香ばしさ、甘辛ダレの照り、肉汁を吸い込んだ白米のコク──。焼肉弁当は70年以上の歴史と文化が作り上げた、日本独自の完成されたスタイルです。

1946年:焼肉弁当の源流は最古の焼肉店から始まった

日本で最も古い焼肉店とされるのが、東の「明月館」と西の「食道園」。1946年から営業を開始し、戦後の焼肉文化の礎を築きました。

当時から出前を行っていたため、焼いた肉をご飯にのせて届けるスタイルが自然に生まれていました。特に食道園は元祖・漬け込みダレとして知られ、甘辛いタレの肉と白米の相性の良さが、後の焼肉弁当の基礎を形づくっていきました。

焼肉弁当は本来“夜の弁当”として発展した

現代ではランチの人気メニューですが、焼肉弁当の原点は深夜の世界にあります。

私が若い頃東京の繁華街で板前として働いていた時代、焼肉弁当の注文は圧倒的にでした。特に雀荘からの注文が最も多く、深夜の勝負飯として好まれていました。

さらにショーパブでは、深夜〜朝方4時のリハーサル中の夜食として焼肉弁当が頻繁に注文され、まさに“夜を生きる大人たちのエネルギー源”でした。

そのため焼肉弁当は、長らくアダルトで濃厚な深夜メシの象徴として親しまれてきました。

叙々苑が焼肉弁当を“憧れの弁当”へ押し上げた

焼肉弁当が特別な存在として全国的な知名度を得たのは叙々苑によるものです。

東京ドームで販売された叙々苑弁当は「最も早く売り切れる弁当」として爆発的な人気となり、芸能人や著名人の間でも“特別な日の弁当”として強い支持を集めました。

叙々苑が生んだ“セパレート方式”は全国標準へ

かつての焼肉弁当は、ご飯の上に肉・ナムル・キムチを一体で盛りつける方式が一般的でした。

しかし叙々苑は肉・ナムル・キムチを仕切りで分けるセパレート方式を導入。これにより、

  • 汁気でご飯がベチャつかない
  • 見栄えに高級感が出る
  • 肉本来の香りが他に移らない
  • 味が時間経過で劣化しにくい

という画期的なメリットが生まれました。この方式は瞬く間に全国へ広まり、現在の「焼肉弁当=仕切って盛る」というスタイルの原点となりました。

1980〜90年代:チェーン店の普及で焼肉が一気に大衆化

この時代、郊外型の焼肉チェーン店が全国へ拡大し、焼肉は“特別な外食”から“家族で行く当たり前の外食”へと変化しました。

手頃な価格、広い店舗、ファミリー層の増加、新しい部位(豚トロなど)の普及により、焼肉そのものが圧倒的に身近な存在になります。

2018〜2020年:チェーン店の弁当参入で焼肉弁当が全国へ一気に普及

焼肉弁当が本当に一般化したのは近年です。

  • 牛角:2018年から焼肉弁当を本格スタート
  • 安楽亭:2020年から弁当強化+デリバリー導入
  • 全国チェーンがUber Eats・出前館へ参入

この流れにより、焼肉弁当は専門店の特別な弁当ではなく、全国どこでも頼める“生活の定番”へと進化しました。

焼肉弁当が“冷めても旨い”と感じる理由

牛脂は冷めても旨味を閉じ込める

牛脂は固まる際に旨味を保持し、ご飯に深いコクを残します。

甘辛ダレは冷めても味が崩れない

糖分が味を支え、照りとコクが持続します。

最重要:温かい肉を温かいご飯にすぐ乗せる

焼肉弁当は“肉汁をご飯に吸わせる料理”です。ここが美味しさの核心です。

自宅でフライパンでも美味しく作るコツ

1. 肉は“八割火入れ”で焼く

表面は香ばしく、中はほんのりピンクで柔らかさが残る状態が理想です。

2. 一度肉を取り出し、タレを煮詰める

水分を飛ばして濃度を上げると、ご飯との相性が抜群になります。

3. 肉を戻してタレを絡める

照りを出すことで冷めても香ばしさが残ります。

4. 温かい肉を温かいご飯にすぐ乗せる

肉汁がご飯に吸い込まれ、冷めても美味しい弁当に仕上がります。

黒5(くろご)の焼肉弁当

黒5(くろご)は東京・新宿歌舞伎町と池袋に店舗を構える焼肉店です。炭火で丁寧に焼いた黒毛和牛をふんだんに盛りつけ、ナムルとキムチを添えた焼肉弁当は「冷めても感動できる弁当」として多くのお客様に支持されています。

「焼肉 黒5」は池袋で創業して以来、変わらぬ味とこだわりを守り続けています。

黒5の店舗紹介|池袋と歌舞伎町に展開

店名焼肉 黒5 本店
住所:〒171-0014 東京都豊島区池袋2丁目46−3 シーマ100ビル 1F
最寄駅:JR池袋駅西口 徒歩5分
営業時間:17:00~24:00(L.O.23:30)
定休日:年中無休

店名焼肉 黒5 池袋東口店
住所:〒170-0013 東京都豊島区東池袋1丁目42−16 ニードビル 2F
最寄駅:JR池袋駅東口 徒歩5分
営業時間:17:00~24:00(L.O.23:00)
定休日:年中無休

店名焼肉 黒5 歌舞伎町
住所:東京都新宿区歌舞伎町2-21-4 三経ビル1F
最寄駅:西武新宿駅 徒歩5分/新宿三丁目駅 徒歩7分
営業時間:18:00~翌5:00(L.O.4:00)
定休日:年中無休

公式Instagram@kuro5yakiniku

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