店長日記

炭火焼きとガスロースターの違い|焼肉を支える“火”と“無煙ロースター”の真実

焼肉を食べるとき、多くの人が気にするのは肉の質やタレの味ですが、実は同じくらい大事なのが「火の種類」です。焼肉店には大きく分けて、炭火を使う店とガスロースターを使う店があります。どちらも美味しく焼けますが、味わいや雰囲気は大きく異なります。さらに近年では「無煙ロースター」の仕組みも加わり、快適さが大きく変わってきました。

今回は、炭火焼きとガスロースターの違い、無煙ロースターの方式、そして黒5の独自の挑戦について詳しくご紹介します。


炭火焼きの特徴

炭火の最大の魅力は「高温」と「遠赤外線効果」です。炭は800℃以上の高温になり、熱が遠赤外線として肉に届きます。これにより表面は一気に香ばしく焼け、中は水分を閉じ込めたジューシーな仕上がりに。

七輪焼肉

さらに肉から落ちた脂が炭に触れて煙となり、それが肉を包み込むことでほのかな燻香がつきます。この香ばしさはガスでは出しにくい、炭火ならではの旨味です。

加えて、赤々と燃える炭火の見た目や、じゅうっと焼ける音も楽しみのひとつ。炭火焼きはまさに五感で味わう焼肉といえるでしょう。


ガスロースターの特徴

ガスロースターの魅力は「安定した火力」と「扱いやすさ」です。ボタンひとつで点火でき、火力も均一。炭火のように火おこしの手間がなく、効率よく営業できるため、多くの店舗で採用されています。

また、掃除や安全面でも炭火より優れており、特に都市部のビル内店舗ではガスが主流。出店コストを抑えやすいことから、チェーン店や大規模店に選ばれることが多いです。

ただし、炭火のような燻香や香ばしさは弱めで、肉の味をストレートに楽しむスタイルになります。


無煙ロースターの仕組み

ここで多くの人が誤解しがちなのが「匂いの少なさ」。実は炭火かガスかの違いではなく、無煙ロースターの有無が大きなポイントです。

下引き型

ガスロースターの下引きは30年以上前から存在し、むしろ主流の方式です。煙を下から強力に吸い込むため、匂い移りが少なく、会話や空間の雰囲気も損ないません。導入コストは高額ですが、快適さでは圧倒的に優れています。

上引き型(卓上ガスロースター+ダクト)

ここ10年で増えてきたのが、卓上ガスロースターと組み合わせた上引きダクト方式です。設置コストが安く、出店費用を抑えられるのが最大のメリット。ただし、吸い込み音が大きく、会話の声まで吸い込まれてしまうこともあります。さらにダクトが視界を遮るため、向かいの人の顔が見えにくいというデメリットもあります。


黒5の挑戦|備長炭×下引きのスタイル

そこでご紹介したいのが、東京・池袋と歌舞伎町に展開する焼肉店「黒5」です。 黒5は和牛の希少部位をリーズナブルに提供するスタイルで人気を集める焼肉店。スタッフが高温の炭火でお肉を丁寧に焼き上げる「焼き奉行スタイル」によって、最高の焼き加減で楽しめるのも魅力です。

黒5の1号店は当初、炭火と上引きダクトの組み合わせでした。本格的な香ばしさは楽しめましたが、吸引音が大きく、会話がしづらいというデメリットもありました。

そこで黒5が選んだのは備長炭×下引き無煙ロースターという挑戦です。従来、炭火の下引きはオガ炭を使うのが主流で、火力が強すぎる備長炭を下引きで扱う店はほとんどありませんでした。扱いが難しいため、避けられてきた組み合わせだったのです。

それでも黒5は、「備長炭の本格的な美味しさを活かしながら、お客様の会話も快適に楽しめる空間をつくりたい」という想いから、備長炭での下引きに挑戦しました。

さらに黒5がこれを可能にしたのは焼き奉行スタイルです。通常、お客様が自分で七輪で焼くスタイルなら、炭火の熱は下からで、手元への負担はそこまで大きくありません。しかしテーブルロースターで上からトングを使う場合、備長炭の強烈な熱が直接手に伝わり、長時間焼くのは困難です。

黒5ではスタッフが責任を持ってお肉を焼き上げるため、この難しい火力をコントロールできるのです。お客様は手を煩わせることなく、備長炭の旨味と下引きロースターの快適さを同時に楽しめます。

つまり黒5の「備長炭×下引き」は、ただの設備投資ではなく、焼き奉行スタイルだからこそ成立する特別な焼肉体験なのです。


まとめ

  • 炭火は香ばしさと遠赤外線効果でジューシーに
  • ガスは安定火力と効率性で安心・スピーディーに
  • 匂いを左右するのは炭かガスではなく「無煙ロースター」
  • 下引きは快適だがコスト高、上引きは安価だが騒音や圧迫感がある
  • 黒5は「備長炭×下引き×焼き奉行スタイル」で唯一無二の体験を実現

焼肉を選ぶとき、つい「肉質」や「価格」に目が行きがちですが、実は「火」と「無煙ロースターの方式」も味わいと体験を大きく左右します。

炭火かガスか。上引きか下引きか。 そしてどんなスタイルで焼かれるのか。

黒5の挑戦は、そのすべてを突き詰めて「最高の焼肉体験」を形にしたものなのです。

「焼肉 黒5」は池袋で創業して以来、変わらぬ味とこだわりを守り続けています。

黒5の店舗紹介|池袋と歌舞伎町に展開

店名焼肉 黒5 本店
住所:〒171-0014 東京都豊島区池袋2丁目46−3 シーマ100ビル 1F
最寄駅:JR池袋駅西口 徒歩5分
営業時間:17:00~24:30(L.O.23:30)
定休日:年中無休

店名焼肉 黒5 池袋東口店
住所:〒170-0013 東京都豊島区東池袋1丁目42−16 ニードビル 2F
最寄駅:JR池袋駅東口 徒歩5分
営業時間:17:00~24:00(L.O.23:00)
定休日:年中無休

店名焼肉 黒5 歌舞伎町
住所:東京都新宿区歌舞伎町2-21-4 三経ビル1F
最寄駅:西武新宿駅 徒歩5分/新宿三丁目駅 徒歩7分
営業時間:18:00~翌5:00(L.O.4:00)
定休日:年中無休

公式Instagram@kuro5yakiniku

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