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「ロースはパサつく」という常識を覆す、究極のロースに出会ったことはありますか?
皆様、こんにちは。黒5のそんどです。
日本の焼肉文化において、「カルビ」と並んで絶大な人気を誇る二大巨頭といえば、間違いなく「ロース」です。カルビが持つ濃厚な脂の甘みとジューシーさに対して、ロースは赤身本来の清々しい香りや、上品なお肉のコクを楽しめる部位として、特に大人のグルメな皆様から深く愛されています。近年では、健康志向の高まりやヘルシーにお肉を食べたいというお客様が増えていることもあり、ロースの人気はかつてないほどに高まっています。
しかしながら、焼肉店でロースを注文した際、「なんだか少しパサパサしているな」「焼きすぎるとすぐに硬くなって、旨味が逃げてしまうな」と感じた経験はありませんでしょうか。実は、一般的なロースは赤身が多く、カルビに比べて水分が抜けやすいため、網の上でほんの少し焼き時間を誤るだけで、一瞬にして乾いたゴムのような質感になってしまう、非常に火入れが繊細な部位なのです。

私たち黒5では、そんな「ロースはパサつきやすい」という妥協の常識を根底から覆したいと考え、創業時から特別なロースを提供し続けてきました。それこそが、和牛のもも肉のなかで最も柔らかい極上の芯部である「シンシン」であり、そのシンシンの旨味を100%引き出すためにスタッフがテーブルの目の前で焼き上げる独自の技術「ローリング焼き」です。今回は、黒5のロースがなぜ驚くほどしっとりと柔らかく、噛んだ瞬間に上質なジュースのように肉汁が溢れ出すのか、その肉質の特徴と焼きの科学について詳しく紐解いていきたいと思います。
目次
ももの中芯に眠る奇跡の部位「シンシン」の知られざる特徴と肉質
黒5の看板ロースとして提供している「シンシン」ですが、この部位が牛のどの部分に位置し、なぜこれほどまでに柔らかいのかをご存知でしょうか。シンシンは、牛の後ろ脚の付け根部分にあたる「シンタマ」と呼ばれる球状の大きなもも肉のブロックの、さらにその中心部に位置する部位です。

牛のもも肉(ラウンド)といえば、一般的には「よく運動する部位」であるため、脂肪が少なく水分が豊富で、筋っぽく繊維が硬いというイメージを持たれがちです。実際に、シンタマの外側を覆っている部位や他のもも肉は、煮込み料理やローストビーフにされることが多く、そのまま網で焼く焼肉にはやや硬いのが現実です。しかし、シンタマの塊を深く切り進めていくと、周囲を他の強固な筋肉に囲まれ、運動による直接的な負荷から奇跡的に守られている「芯(中芯)」の部位が現れます。これこそが、シンタマの中心の芯、すなわち「シンシン」と呼ばれる希少部位です。
シンシンはもも肉でありながら、繊維がシルクのように極めて細かく、赤身の密度が高いにもかかわらず筋っぽさが全くありません。さらに、良質な黒毛和牛のシンシンには、まるで細かな雪の結晶が降り積もったかのような、非常に繊細で美しい「サシ(霜降り)」が入っています。このサシの入り方が、サーロインやリブロースのように「ギトギトした重い脂」ではなく、体温でサラサラと溶け出すほど融点の低い「非常にピュアで軽い脂」である点が最大の特徴です。噛みしめるほどに純粋な赤身の濃い牛肉の香りが広がり、とろけるような口溶けを同時に味わうことができる。まさに「赤身と霜降りの完璧なハイブリッド」と呼ぶにふさわしい、和牛ロースの最高峰なのです。
ここで少し、焼肉業界における「ロース」という名前の不思議な歴史についてお話しさせてください。実は、英語の『ロースト(焼く)』が語源であるロースという言葉は、本来は肩ロース(チャックアイ)やリブロース、サーロインといった『牛の背中側の、脂がしっかりと乗った部位』を指す言葉です。そのため、ステーキや高級すき焼きで使われるサーロインのように、本来のロースは非常に濃厚な脂(霜降り)が特徴の部位なのです。

それにもかかわらず、なぜ日本の多くの焼肉店では『ロース=あっさりした赤身肉』として提供されるようになったのでしょうか。その背景には、かつての輸入牛肉の普及という歴史的な名残があります。昭和の焼肉ブームの時代、多くの大衆店では手頃な輸入牛肉が主流でした。その輸入牛肉のサーロインや肩ロースは、現在の国産和牛とは異なり、霜降りがほとんど入っていない硬い赤身肉だったのです。お客様はその輸入のロースを食べて『ロース=脂の少ないヘルシーな赤身肉』という認識を持つようになりました。
その後、時代の流れとともにお客様の嗜好も多様化し、『焼肉店でロースを頼む時は、カルビの重い脂を避けて、あっさりした赤身肉を食べたい』という期待が定着しました。このお客様のニーズに応えるため、日本の焼肉店では、本来の背中側の脂の乗った部位ではなく、もも肉(ラウンド)などの赤身が主体である部位を『ロース』という名前で提供し続けるようになったのです。これが、現代の焼肉店における『ロース=赤身肉』という不思議な流れの正体です。
しかし、単にもも肉の赤身をロースとして出すだけでは、どうしてもパサつきや繊維っぽさが目立ってしまいます。そこで黒5が辿り着いたのが、もも肉のなかでも極上の柔らかさと微細なサシを併せ持つ『シンシン』を厳選すること、そしてその魅力を余すことなく引き出すプロの焼き技術だったのです。
網の上で転がし、旨味を幾重にも重ねる「ローリング焼き」という職人技
どれほど極上のシンシンを仕入れたとしても、そのポテンシャルを開花させられるかどうかは、ひとえに「焼き方」にかかっています。特にサシが細かく上品なシンシンは、網の上でじっくり平らな状態で焼きすぎてしまうと、大切な脂と水分が炭の中にすべて滴り落ち、旨味が失われてしまいます。そこで黒5が誇るプロの焼き手が駆使するのが、テーブルの目の前で施す「ローリング焼き(ロール焼き)」という高度な技術です。

ローリング焼きのプロセスは、驚くほどダイナミックかつ繊細です。まず、薄切りにスライスされた新鮮な生のシンシンを、真っ赤に熾った紀州備長炭の七輪の網の上に、丁寧に広げて乗せます。炭火の強烈な遠赤外線がお肉の下側を瞬時に加熱し、表面にうっすらと肉汁が浮き上がってきたその刹那、スタッフはトングでお肉の端を優しく掴みます。そして、お肉をひっくり返すのではなく、網の上で滑らせるようにしながら、くるくると丸め込んでいくのです。
お肉を円筒状(シリンダー形)にロールさせ、網の上を優しく転がしながら、表面全体に均一に熱を当てていきます。この間、お肉は常に丸まった状態にあります。スタッフはお肉の反発力や表面の色の変化、脂が弾ける音を細かく見極めながら、お肉の内部が完璧な「ミディアムレア」の温かさに達する瞬間を捉え、素早くお客様のお皿へと移します。網の上で平らにお肉を放置する一般的な焼き方とは異なり、お肉を転がしながら立体的に焼き上げるこのローリング焼きこそが、黒5のロースを唯一無二の存在にしている職人技なのです。
なぜ丸めるのか?ローリング焼きがもたらす熱伝導と食感の科学的メリット
では、なぜシンシンをひっくり返さずに「丸めて転がす」必要があるのでしょうか。そこには、お肉の熱伝導と肉汁の動きをコントロールする、極めて科学的な根拠が存在します。主に3つのメリットをご紹介します。
メリット1:内側の水分と脂を閉じ込める「スチーム(蒸気)効果」
薄切りのお肉を平らな状態で両面焼くと、直接熱源に接する面からお肉の水分がどんどん蒸発していきます。しかし、お肉をくるくると丸めることで、外側の層がお肉自身の水分と内側に包み込まれた脂の蒸気を閉じ込める「シールド(盾)」の役割を果たします。つまり、ロールされた内部は、直火で焼かれるのではなく、自身の肉汁の蒸気で優しく「スチーム(蒸し焼き)」されるような状態になるのです。これにより、繊維の奥にある水分が空気中に逃げ出すのを100%防ぎ、噛んだ瞬間に肉汁がブシャーっと噴き出すような、驚異的なジューシーさを維持することができます。
メリット2:マイルドな熱侵入による「極限の柔らかさのキープ」
お肉の主成分であるタンパク質は、約60度から65度を超えると急速に収縮し、硬くなり始めます。平らな状態で強火の網に密着させると、お肉の表面温度は一瞬でこの境界線を超えてしまい、硬い膜を作ってしまいます。一方、ローリング焼きでは、網に触れるのはロールされた円筒の外側のごく一部だけであり、しかもそれを転がし続けるため、局所的な過加熱が起こりません。外部からの熱が、丸められたお肉の層を伝わって、内側へと極めてゆっくりとマイルドに浸透していきます。これにより、繊維が急激に収縮して硬くなるのを防ぎ、もも肉本来のシルクのような滑らかな食感を極限までキープすることができるのです。
メリット3:タレと脂の「重層的な一体化」
シンシンを丸め込む際、お肉の表面に揉み込まれた黒5特製のタレと、加熱されて溶け出し始めた上質な脂が、ロールされたお肉の層の隙間にしっかりと挟み込まれます。転がしながら焼くことで、このタレと脂が逃げ出すことなく、お肉の内部で複雑に絡み合いながら全体に行き渡ります。一口食べたときに、お肉の旨味、タレのコク、そして和牛の上品な脂が口の中でバラバラにならず、一つの完璧に調和した味わいとなって一気に押し寄せるのは、このローリングによってタレと脂が重層的に一体化しているからなのです。
一度も冷凍しない「生ロース」だからこそ実現できる、奇跡のジューシーさ
このローリング焼きの科学的メリットを成立させるために、絶対に欠かせない絶対条件があります。それが、仕入れから一切冷凍を通していない「生のシンシン」であるということです。

前述の通り、冷凍したお肉は氷の結晶によって細胞壁が破壊され、ドリップとして水分が抜けてしまっています。元々水分が少なくなっている冷凍のお肉を丸めて焼いても、内側を蒸し焼きにするための「元となる水分」が足りないため、単に中まで熱が通りにくいだけのパサついたお肉になってしまいます。また、一度冷凍されたお肉は弾力が失われているため、網の上できれいに丸めることが難しく、焼いている最中に崩れて平らに戻ってしまいます。
黒5のシンシンは、常にフレッシュなチルド状態で仕入れているため、お肉の繊維が非常にしなやかで弾力性に富んでいます。網の上に乗せた瞬間、熱によって優しくお肉が縮み始めるタイミングに合わせて職人がトングを添えると、まるでお肉自身が丸まりたがっているかのように、美しくきれいにロールを形成します。細胞膜が完璧に守られているため、ロールされた内側には限界ギリギリまで水分が保たれ、噛んだ瞬間に初めてそれが解放されるのです。「生」だからこそ丸まり、「生」だからこそ蒸し焼きが成立し、「生」だからこそ奇跡のジューシーさが生まれる。仕入れと焼きの技術は、切っても切れない一つの輪のようにつながっているのです。
プロが目の前で仕上げる黄金の一瞬を、ぜひ黒5のテーブルで

薄切りのシンシンを完璧にローリングしながら、中が最も甘く、とろけるような温度に達する一瞬を見極める。これは、七輪の火加減やその日のお肉の厚みによって毎日異なるため、非常に高度な訓練を積んだスタッフにしかできない仕事です。お客様には、目の前で繰り広げられるそのスピーディーで美しいトング捌きを目でも楽しんでいただき、一番美味しいタイミングで差し出されたロースを、そのまま何も考えずに召し上がっていただきたいと考えています。
「ロースはパサつくものだと思っていた」「もも肉がこんなにジューシーにとろけるなんて信じられない」そんな驚きと喜びの声をいただくたびに、私たちはこの仕入れと技術を守り続けてきて本当に良かったと実感します。黒5がお届けしたいのは、単に「お腹を満たす焼肉」ではなく、仕込みと焼きの技術によって生み出される「一口の感動」です。
今夜も、池袋本店、池袋東口店、そして新宿歌舞伎町店にて、職人が美しく切り分けた生のシンシンと、赤々と燃える備長炭の火をご用意して、皆様のご来店を心よりお待ちしております。ぜひ、プロが焼き上げる「究極のローリングロース」を体験しに、黒5へお越しください。皆様の特別な夜を、最高のおもてなしと美味しさで彩らせていただきます。

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