店長日記

和牛タンの仕込み!黒5が誇る極上タン塩の隠れた職人技

一皿のタン塩から始まる、至高の焼肉体験

皆様、こんにちは。黒5のそんどです。

焼肉店に足を運んだ際、まず最初に注文するメニューといえば、多くの方が「タン塩」を思い浮かべるのではないでしょうか。レモンを軽く絞り、炭火の香ばしい香りを纏ったタンを口に運ぶ瞬間は、これからの食事への期待を最大級に膨らませてくれる最高のプロローグです。サクッとした素晴らしい歯切れの後に、じゅわっと広がる良質な脂の甘み。それはまさに、焼肉というエンターテインメントの幕開けにふさわしい贅沢な一瞬と言えます。

しかし、皆様はこれまでに「美味しいけれど、少し硬くて噛み切れない部分があった」「どことなく、内臓肉特有の独特な臭みを感じた」という経験をされたことはありませんか。実は、牛タンは牛1頭からわずか1キロから1.5キロ程度しか採れない非常にデリケートな希少部位でありながら、仕込みの技術によってその品質と美味しさが劇的に変化する、極めて「料理人の腕が試されるお肉」なのです。

私たち黒5では、お客様に「今までのタン塩の常識を覆すほどの感動」をお届けするために、創業以来、目に見えない仕込みの工程に一切の妥協を許さず、職人の手仕事を注ぎ込んできました。今回のブログでは、網の上に乗る前の、黒5の厨房で日々繰り広げられている「和牛タン仕込みの圧倒的なこだわり」について、科学的かつ情緒的にひも解いてまいります。

臭みと硬さを極限まで排除する「ぐるむき加工」の全貌

黒5のタン塩をお召し上がりいただいたお客様から、最も多く寄せられるお言葉が「驚くほど柔らかく、全く臭みがない」という評価です。この「当たり前のようで、実は非常に難しい美味しさ」を実現するための最大の秘密が、仕込みにおける「ぐるむき加工」という徹底したトリミング作業にあります。

牛タンは、口に触れるザラザラとした外皮に覆われているだけでなく、その外側の赤身部分にはドリップ(血や肉汁が混ざった液体)が浸透しやすく、これが時間が経つと内臓特有のドリップ臭を引き起こす直接的な原因となります。また、外皮に近い赤身は繊維が極めて硬く、そのままスライスして提供してしまうと、噛み切れない硬い食感が残ってしまいます。

そこで黒5では、仕入れルートや産地(国産和牛、厳選されたアメリカ産牛タン)を問わず、仕込みの第一段階として、この外側の硬い皮と赤身部分を限界まで削ぎ落とします。お肉の表面をぐるりと一周、贅沢に深く剥き取ることから「ぐるむき」と呼ばれます。この作業を行うと、なんと牛タン全体の半分近くの体積が削り落とされ、中心部にある「本当に美味しくて脂が乗った、真っ白な脂の芯」だけが残されることになります。

歩留まり(使用できるお肉の割合)を考えれば、これほど深くお肉を削ることは経営的には大きな痛手となります。しかし、私たちは「お客様の口に運ばれる1枚のタン塩には、1円の妥協も、1グラムの妥協もあってはならない」という強い信念を持っています。ドリップ臭の原因となる部分を根こそぎ取り除き、良質なサシの甘みだけが凝縮された純粋な芯だけを使用する。この惜しみない手間の積み重ねこそが、黒5の牛タンが別格の美味しさと呼ばれる理由なのです。

幻の黒毛和牛タン元と、職人の手切りが織りなす極厚の世界

黒5のタン塩のラインナップには、通常の「上タン塩」に加えて、肉通のお客様を唸らせる極上のメニューが存在します。それが、毎日各店舗で1本から2本しか入荷しない生の黒毛和牛のタンを使用した「特選タン塩」です。

一度も冷凍されることなく、チルドの生の状態で運ばれてくる黒毛和牛のタンは、細胞が一切破壊されておらず、水分と旨味を完全に内部に閉じ込めています。私たちは、この希少な生タンの中でも、さらに根元からわずか15センチメートルほどの最上級部位である「タン元の芯」だけを厳選します。この部位は、牛の舌の中で最も運動量が少なく、きめ細かなサシ(霜降り)がまるで大理石のように美しく入った、まさに幻と呼ぶにふさわしい部分です。

この極上部位をスライスする際、黒5では機械によるスライサーを一切使用しません。すべて職人が包丁を握り、お肉の繊維の走り方、脂の入り具合を1本ずつ見極めながら、手切りで極厚に切り出していきます。手切りの最大のメリットは、お肉の断面に微細な起伏ができることです。この起伏によって、火を通したときに炭火の熱が立体的に伝わり、お肉が縮みすぎることなく、ふっくらとジューシーに焼き上がります。

しかし、極厚にカットされたタン元は、ご自身で焼くのが非常に難しいというデメリットもあります。厚みがあるため、強火で表面を焼きすぎると外側だけが焦げて中が生焼けになってしまい、逆に弱火でじっくり焼きすぎると、旨味である肉汁が網の下にすべて流れ落ちてパサついてしまうのです。

この問題を完璧に解決するために、黒5ではスタッフがお客様の目の前で極上にお焼きする「フルアテンドスタイル」を採用しています。炭火の遠赤外線効果と、網の温度変化を完璧に把握したプロのスタッフが、厚切りのタン元を外はサクッと香ばしく、中は絶妙なロゼ色のミディアムレアに仕上げてお皿にお届けします。職人の手切りと、焼き手の技術が融合して初めて完成する究極の「特選タン塩」の味わいは、一口食べれば誰もが納得する唯一無二のクオリティです。

タン先からタン下まで、無駄なく命を活かしきる4つの部位別アプローチ

一本の牛タンは、根元から先端まで驚くほど多彩な表情を持っています。黒5では、この牛タンの個性を以下の4つの部位に明確に分類し、それぞれの特徴に合わせた最適な仕込みとメニュー開発を行っています。これは、貴重な命を一切無駄にせず、すべての部位を最高の状態で活かしきるための私たちの約束でもあります。

  • タン元(根元):先述の通り、最も運動量が少なく、最も柔らかい最高級部位です。黒5では、選び抜かれたアメリカ産の最も良質なタン元を「上タン塩」として、さらに希少な生の黒毛和牛のタン元を「特選タン塩(極上厚切りタン)」として贅沢に提供しています。
  • タン中(中央部):適度な脂のノリと、心地よい歯ごたえのバランスが非常に良い、牛タンの王道とも言える部位です。黒5では主に「並タン塩」として提供していますが、実はここにも黒5ならではの隠れた魅力があります。私たちは毎日大量の生の和牛タンを丸ごと捌いているため、仕込みの段階でこの「並タン塩」の中に、生の和牛のタン中が自然と混ざり合うことがあります。並の価格でありながら、極上の和牛タンを味わえるこの嬉しい当たりは、仕込みから一貫して行う黒5だからこそお届けできる小さな奇跡です。
  • タン先(先端):牛が常に動かしている部位のため、筋肉が非常に発達しており、脂が極めて少なく繊維が硬いのが特徴です。私たちは、この部位を無理に焼肉として提供することはありません。代わりに、タン先を丁寧にトリミングして細かく叩き、上質なミンチへと生まれ変わらせます。このミンチは、スタッフのまかないとして「特製キーマカレー」や「担々麺の肉味噌」などに姿を変え、店舗を支えるスタッフの元気の源として余すことなく活用されています。
  • タン下(裏側・アゴ肉):タンの裏側に位置する、アゴを動かすための筋肉と血管が通る部位です。輸入牛のタン下は、血管の残渣によってドリップ臭が強く出やすい傾向があるため、私たちはドリップを完全に絞り出した上で、特製の甘辛いタレで何時間もじっくりとホロホロになるまで煮込み、「スジ煮込み(タン下煮込み)」として提供しています。一方、和牛のタン下は血生臭さが一切なく、脂が驚くほど軽やかで、サクサクとした小気味よい歯切れの良さを持っています。この生の和牛タン下は、焼肉通がこぞって注文する隠れた名物メニューとして、塩と炭火のシンプルな味付けで焼き上げて提供しています。

硬さを旨味に変える、計算し尽くされた隠し包丁の技術

牛タンの仕込みにおいて、職人の技術が最も光る瞬間の一つが「隠し包丁」を入れる作業です。特に、筋肉が複雑に走り、繊維が比較的硬い「タン下」や「タン中」の部位において、この作業は肉の食感を劇的に変えるイノベーションとなります。

単にスライスしただけではゴムのような噛みごたえになってしまう部位であっても、職人が肉の繊維に対して直角に、数ミリ単位の極めて細かく浅いスリット(切れ込み)を両面に格子状に入れていきます。深すぎれば肉が網の上でバラバラに千切れてしまい、浅すぎれば繊維を断ち切ることができないため、包丁の刃先にかかる肉の弾力を指先で感じながら、ミリ以下の精度でコントロールする熟練の感覚が必要とされます。

この隠し包丁が入ることで、網の上で加熱された際にお肉が均一に膨らみ、熱が中心まで瞬時に到達します。さらに、噛んだ瞬間に歯がすっと切れ込みに入るため、硬さを全く感じさせることなく、「サクサク」とした非常に心地よい歯触りへと変化するのです。また、切れ込みの表面積が増えることで、噛むたびに内側に閉じ込められていたタンの甘みと旨味が口の中に一気に溢れ出し、特製の塩ダレと絶妙に絡み合います。ただ柔らかいだけではない、噛み締めるほどに押し寄せるタンの「本当の深いコク」は、この隠し包丁という目立たない職人技によって生み出されているのです。

職人の技と真心が息づく、失敗のない極上タン塩を店舗で

一本の牛タンが厨房に届いてから、皮を剥き、部位を見極め、包丁を入れ、お皿に美しく盛り付けられるまで。そのすべてのプロセスに、黒5の職人たちの「お客様に絶対に喜んでいただきたい」という強い想いと、長年培ってきた肉の教養が息づいています。仕込みの段階で100%のクオリティに仕上げたお肉を、私たちのフルアテンドサービスによって網の上でさらに120%の完成度へと引き上げる。この一連の流れがあって初めて、黒5の焼肉は完成します。

普段、何気なく口にしているタン塩の裏側にある、妥協のない職人たちの世界。今夜はぜひ、私たちのこだわりが詰まった極上のタン塩を囲み、炭火を囲む温かい時間をお過ごしください。

本日も、本店、東口店、そして歌舞伎町店にて、職人が一本ずつ丁寧に仕込んだ新鮮なタンと、最高に熾した備長炭をご用意して、皆様のご来店を心よりお待ちしております。

黒5 店舗外観

  • 炭火焼肉 黒5 本店
    東京都豊島区池袋2-46-3 西池ビル1F / JR池袋駅 徒歩5分
  • 炭火焼肉 黒5 東口店
    東京都豊島区東池袋1-42-16 築地ビル1F / JR池袋駅東口 徒歩3分
  • 炭火焼肉 黒5 歌舞伎町店
    東京都新宿区歌舞伎町2-21-4 / 三共赤川ビル1F

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